2011年07月31日

劇場版ポケットモンスターベストウイッシュ ビクティニと黒き英雄 ゼクロム

今年のポケモン映画は「黒き英雄 ゼクロム」と「白き英雄 レシラム」の2作品同時公開となった。湯山監督は「ゼクロム、レシラムというポケモンを本当に映画の主人公として描こうとしたら2作品創るしかない」と言っているが、商業主義の言い訳にしか聞こえない。これで前売特典が2作品で違うものだったら非難轟々だったことだろう。
2作品は登場するポケモンや音楽が異なるが、9割は同じらしい。両方見る気にはならないので、どちらかを選ぶことになる。私はゼクロムのほうが好みなので、「黒き英雄」のほうを見ることにした。

夏休み中だけあり、劇場は非常に混んでいる。次の回だが、良い席が取れた。空き時間に引換場所で、前売特典のVジェネレートを覚えたビクティニをホワイトに受け取っておく。受け取りは赤外線通信で行う。
時間になり、劇場へ。公開から10日以上経っているが、座席は8割方埋まっている。ワイヤレス通信で、ホワイトにレシラム、ブラックにゼクロムを受け取っておく。
ジョーイとタブンネがゼクロム・レシラムの配信について説明する。ゲーム「スーパーポケモンスクランブル」のCMが流れる。発売の延期が急だったせいか、発売日は前のままだった。


大地の民の末裔・ドレッドは、同族の暮らす荒野の村を訪れ、大地の郷の復活への協力を求める。突如竜巻が発生し、バッフロンの群れが村に向かって押し寄せる。ドレッドはレシラムを呼び、竜巻をかき消し、バッフロンを止めて見せる。

山あいの街・アイントオークにやってきたサトシ、アイリス、デント。サトシは崖でシキジカを助けようとして体勢を崩してしまうが、不思議な力を受け、向かい側に跳び移ることに成功する。それはビクティニの力だった。ビクティニは洞窟に入ったサトシにビジョンを送り、出口へと導く。サトシは大地の剣の城に出、2人と合流する。3人はデントが作ったマカロンを食べる。サトシは透明になったビクティニにマカロンを取られてしまう。

収穫祭のポケモンバトル大会が開催される。初戦、サトシはピカチュウでジャローダを使うトレーナーに勝ち、アイリスはエモンガでエンブオーを使うトレーナーに反則負けし、デントはヤナップでカリータのサザンドラ(色違い)に負ける。2戦目、サトシはミジュマルでアイリスが負けた相手に勝つ。
3戦目、サトシのポカブはダイケンキに圧倒されるが、不思議な力で強化された火の粉を放ち、一撃でダイケンキを倒す。それを見ていたカリータはサトシにバトルを挑む。
4戦目、サトシのズルッグは不思議な力を受け、やはり頭突き一撃でサザンドラを倒してしまう。カリータはビクティニが力を与えているのだという。サトシがマカロンを差し出すと、ビクティニが姿を現す。打ち解けた2人は街の見物に出かける。護りの柱を通り過ぎようとしたとき、ビクティニは結界に阻まれ、飛び去ってしまう。

カリータの母・ジャンタは、ビクティニは柱の外には出られないのだという。ビクティニを探すサトシたちは、途中で会ったカリータの兄・ドレッド、モーモント市長と果樹園に向かう。池に落ちそうになったサトシを助けようとビクティニが姿を現し、2人は仲直りする。
サトシたちはモーモントから大地の民の歴史を聞く。大地の民は竜脈の流れる大地の郷で豊かに暮らしていた。千年前、双子の王子が対立が戦乱へと発展する。それぞれについていたゼクロムとレシラムは消耗し、竜の石に姿を変えてしまう。争いは大地の怒りを買い、竜脈は乱れ、大地の郷は荒廃する。王様は大地の剣の城に民を集め、ビクティニの力を借りて城を飛ばせ、山に突き立てて竜脈を鎮める。王様は命果て、郷を失った民は離散した。
ドレッドは3年前、城の地下洞窟でレシラムを復活させ、ビクティニの力を利用して大地の郷を復活させようと計画していた。

サトシは王様とビクティニの悲しい別れを夢に見る。ビクティニに海が見える場所に案内されたサトシは、必ず海に連れて行くと約束する。
ドレッドはビクティニを捕らえ、吸収したエネルギーをダブラン、ユニランたちに送る。城は浮上し、竜脈からエネルギーがあふれ出す。サトシは苦しむビクティニを助け出そうとドレッドのランクルスと戦うが、レシラムが現れる。その圧倒的な力の前にピカチュウの攻撃は通じず、ジャンタのゴルーグは倒され、全員が拘束される。サトシは気を失う。

サトシは竜の石の声を聞いて目覚め、地下洞窟を下る。ビクティニを死なせたくないという願いに、ゼクロムが復活する。ゼクロムとレシラムが激しい戦いを繰り広げる中、サトシはビクティニの救出に成功する。
竜脈が暴走し、周囲が荒れ始める。ドレッドは自らが犯した過ちに気づく。ゼクロムとレシラムは戦うのを止め、暴走を食い止めようとする。皆は脱出するが、ビクティニを連れたサトシは結界から出られず、ドレッドは転落する。竜脈のエネルギーに飲み込まれた城は上昇していく。

城は宇宙を望む高高度に達する。温度は下がり、空気は薄い。サトシに生命の危機が近づく。護りの柱に閉じ込められ、ゴルーグに乗って助けに来たドレッドも手が出せない。サトシが約束を守れなかったことを詫び、事切れようとしたとき、ビクティニがVジェネレートを発動させる。柱は破壊され、城はゼクロムとレシラムに押され、岬へと刺さる。竜脈の暴走は鎮まり、大地の郷は自然を取り戻す。

サトシは仲間たちに介抱され、目を覚ますが、そこにビクティニの姿はなかった。海を前に、サトシはマカロンを差し出し、叫ぶ。ビクティニが姿を現す。約束は守られた。


再びジョーイがゼクロム・レシラムの配信について説明する。タブンネは奥で掃き掃除をしているが、ジョーイが説明しているのに気づき、あわてて席に着く。東日本大震災の被災地支援活動「POKEMON with YOU」のCMは子供の笑い声がぶつりと切れるのが不気味。来年の予告は珍しくなし。
舞台設定
・大地の民。エキゾチックな服装は南アメリカ、離散した民族が祖国への帰還を目指すのはシオニズムを連想させる。大地の郷には現住民がいないため土地問題は発生しないが、アイントオークは大地の民の比率によっては将来的に問題が発生しそうだ。
・双子の王子。理想の勇者にゼクロム、真実の勇者にレシラムがつき、両者が争うのは、ゲーム「ポケットモンスターブラック・ホワイト」のイッシュ創建の伝説をなぞっている。
・大地の剣の城。竜脈を制する楔(くさび)をイメージしていると思われる。高高度に上昇するシーンは、映画「天空の城ラピュタ」の空中都市・ラピュタを連想させる。
・竜の石。バスケットボール大と大きいが、それほど重くないらしく、王子は両手で普通に持っている。ゲームの「ダークストーン」「ライトストーン」という名称は登場しない。

人物
・サトシ。超人的な身体能力は見せず、低温と低酸素で死にかけたりと、人間らしい。昔の彼なら最初の崖は気合で飛び越えていただろう。
・アイリス。髪にハイライトが入り、顔のバランスもかわいめになっている。ドラゴンタイプのサザンドラに心ときめかせるが、ゼクロムとレシラムにはあまり驚かない。竜の里で石像を見慣れているにしても不自然だ。目立った活躍はなし。
・デント。言動が地味。彼が焼いたマカロンが物語のきっかけとなる。目立った活躍はなし。
・ドレッド(声:つるの剛士)。ブラック・ホワイトをイメージした、黒白半々の特異な髪色をしている。大地の郷の復活のためならビクティニを犠牲にすることもいとわず、家族の言葉にも聞く耳を持たない。声は悪くないが、ちょっと惜しい感じ。
・カリータ(声:石原さとみ)。兄とは戦わない。声はなかなか良い。
・ジャンタ(声:大地真央)。土産物の露店を出す。戦ってまで息子を止めようとするところは母親らしい。声はなかなか良い。
・モーモント(声:山寺宏一)。ギアル・ギギアル・ギギギアルを動力とするオートジャイロを操る。声はさすが。
・セード(声:中川翔子)。チョイ役。声はいつもどおり。
・ロケット団のムサシ・コジロウ・ニャース。サトシのピカチュウを狙ってアイントオークに来たが、ビクティニの話を聞き、城への潜入を試みる。サトシたちとの絡みはなし。テレビとは違い、言動はギャグ調で、最後は「なんだかとってもいい感じ」で締める。

ポケモン
・ピカチュウ。終始サトシのそばを離れないため、出番は多い。
・ポカブ、ズルッグ、ミジュマル。ポカブとズルッグはビクティニの力でパワーアップする場面が印象的。火の粉はブラストバーン以上の迫力で、街路樹や民家が焼けていそうだ。ミジュマルの出番は1カットのみ、ツタージャは出番なし。
・キバゴ、エモンガ、ドリュウズ。キバゴはいるだけ。エモンガはボルトチェンジでドリュウズに替わり、交代禁止の反則を犯す。
・ヤナップ。目立った活躍はなし。
・ビクティニ(声:水樹奈々)。大地の民の王国の王様のポケモンで、彼の死後千年間独りぼっちだった。マカロン好き。
・ゼクロム(声:高橋秀樹)。伝説のドラゴン2体は通常の怪獣的な鳴き声のほか、テレパシーで話すことができる。声はいいが、キャラに合わないように思う。
・レシラム(声:谷原章介)。レシラムは城を動かすと竜脈が乱れることを知らず、ドレッドに手を貸す。声は素晴らしく、キャラに合っている。
・サザンドラ。バトルは最初だけで、後半は城からの脱出時の乗り物となる。
・ゴルーグ。手足を収納し、ロケット噴射で飛行する様は、スーパーロボットそのもの。かっこよさは伝説のドラゴン2体以上かもしれない。
・野生のポケモンたち。チョロネコ(声:豊崎愛生)の声がやや残念。本職の声優だが、動物の声は慣れていないのだろうか。

まとめ。ダイナミックな展開で飽きさせない。キャラクターの作画はテレビアニメを若干ましにした程度で、所々崩れる。
理由はどうあれ、2作品に分けるのはやめてほしい。観客に余計な出費を強いることにしかならない。鑑賞中、先に白い英雄のほうを見ているらしく、子供が先の展開を言うのが耳に入った。こんな弊害があったとは。
posted by ムラサキ博士 at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ポケモンアニメBW
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